1985年から93年の録音に、2002年６月の最新録音（13-14）を加えたクリスマス・ソングをまとめたもの。クリスマス・ソングCDの大本命である。とにかく、「ジョン・ラッター」という音楽家の全方位的な才能をまざまざと見せ付けてくれるディスクだ。

作曲家としては、7や、チェロ奏者ジュリアン・ロイド・ウェッバーの「世界の子守歌」というディスクに収録されている９、それに17あたりが、すでに「古典」として定着しているし、アレンジャーとしては、モーツァルトのアリアを彷彿させるフィナーレに仕上げた22が出色の出来ばえ。そして、合唱指揮者としての彼が、ディスク全体を締めている。22と23でガラリと雰囲気が変わる点や、ハーモニーを減衰させ時間を凝結させる効果を生み出そうとしている時の神経の行き届かせ方はハンパじゃない。たかだかクリスマス・ソング集と侮るなかれ。このディスクはあまたの企画盤と隔絶した次元で成立している。
東京エムプラス

品番：CSCD510
レーベル：Collegium
フォーマット：1枚組 CD
発売日：2002年11月30日

《曲目》
ジョン・ラッター（1945-）：
プロローグ
1 アイルランド民謡：ウェックスフォード・キャロル※
クリスマス物語
2 イエス少年
3 そこに花が咲いているゼア・イズ・ア・フラワー
4 ロバのキャロル
5 ワイルドウッド・キャロル
クリスマスの夜
6 天使のキャロル
7 ネイティヴィティ・キャロル
8 メリーの子守歌
9 星のキャロル
10 キャンドルライト・キャロル
11 羊飼いのキャロル
12 クリスマスの子守歌
13 ドルミ・イェズ
クリスマス・リフレクションズ
14 愛はクリスマスに降りてくる
15 コーンウォル地方民謡：聖なる日のキャロル※
16 アパラチア民謡：アイ・ワンダー・アズ・アイ・ウォンダー※
17 キャロルよりも甘美などのような音楽を
クリスマスの喜び
18 ロウエル・マンソン（1792-1872）：もろびとこぞりて（Joy to the World）※
19 三艘の船
20 ウェールズ民謡：ひいらぎ飾ろう
21 ザ・ヴェリー・ベスト・タイム・オブ・イヤーズ
22 イギリス民謡：おめでとうクリスマス（We wish a merry Christmas）※
エピローグ
23 フランツ・グルーバー：サイレント・ナイト※
（※はラッター編曲）

《演奏》
スティーヴン・ヴァーコー（バリトン）
ケンブリッジ・シンガーズ
シティ・オブ・ロンドン・シンフォニア
ジョン・ラッター（指揮）

The John Rutter Christmas Album
The Cambridge Singers

Barcode: 040888051022